顧問税理士に会計参与を依頼したいと考えてる人もいらっしゃると思います。
しかし、はじめての依頼だと、どんな手順で進めると良いか分かりません。
そこで今回は、顧問税理士に会計参与を依頼する手順を紹介します。
顧問税理士と会計参与の関係性は次の図のようになります。
【参考元:日本税理士会連合会http://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/sme_support/accounts/】
会計参与は、取締役の方と一緒に税務・計算関連書類作成に携わっている人のことを指し、税理士(顧問税理士含む)・公認会計士のみが就ける役職です(※条件によっては就けないケースもあります)。立場上は「会社役員」です。
税務・計算関係書類の作成以外にも「株主総会での説明」、「株主への情報開示」などの業務があります。
顧問税理士へ会計参与を依頼する場合は、主に下記5つのステップで依頼します。
上記の手順で会計参与の依頼をすると、比較的スムーズに事が運びます。
ただし、慣れていない方は専門家の指示を仰ぎながら行うことをおすすめします。
注意点は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、顧問税理士へ支払う報酬が莫大な金額になるケースがあるということです。
場合によっては、会計参与の報酬費用を払ったがために事業が傾くケースもあるので注意してください。
2つ目は、会計参与に慣れていない税理士がいることです。
税理士や顧問税理士の得意分野は異なります。
例えば「会計処理は得意だが、関税の知識がない」などです。
つまり、海外取引が多い企業(商社、外資系企業など)の会計参与には向いていない可能性が高いと予想できます。
顧問税理士が、自社の会計参与に役立つ人物か見極めたうえで依頼するか決めましょう。
顧問税理士へ会計参与を依頼するメリットは次の2点です。
顧問税理士が、計算関連書類の作成に携わるため決算書の信頼性は上がります。
税務に詳しくない人が計算関連書類をつくると記載ミスが発生する確率は上がりますが、会計参与の人と一緒に作成すれば記載ミスが起こる確率は下がります。
また、決算書の作成に会計参与が携わっていることを株主・債権者へ伝えれば、「正確な決算書を作成している」という認識が広がり、会社としての評価も上がるかもしれません。
信用保証料とは、融資をしてもらうときに信用保証協会へ支払う保証料のことです。信用保証料の額は、財務状況や経営情報を基に決定されます。
つまり、会計参与を設置している会社は、経営面においてプラスとなり信用保証料が安くなる可能性があるのです。
※下記の表は愛媛県信用保証協会で使用している、基本信用保証料率を決めるための表です。
【引用元:愛媛県信用保証協会(https://www.ehime-cgc.or.jp/info/guaranteefee.html)】
顧問税理士に会計参与を依頼すると、会社の信頼性が上がったり、融資を受けるときに好都合となったりするケースがあるのでおすすめです。
ただ、会社規則・法律の違反には十分注意してください。
※本記事の内容などは2018年5月現在のものです。