現在依頼している税理士の対応には満足していますか?もし、現在の税理士の対して不満や疑問、心配などがあるのであれば、それは変更が必要である可能性があります。
また、こうした問題がなくても会社の経営、今後の成長、現時点の状況などを踏まえると税理士を変更した方が良いケースも数多く存在します。現在依頼している税理士が本当に自社に適切かどうか、今回の記事を参考にしながらよく検討してみましょう。
まずは、「税理士を変更したい」と感じる理由について見ていきましょう。
下記はおおつか税理士事務所に相談に来る方からよく聞かれる『税理士を変更したい理由』です。
まず、第一に考えられるのが「態度」「対応」などの面です。
例えば面談や打ち合わせ、相談などのシーンで遅刻が多かったり、態度・言動が偉そうだったりなど、税理士の態度や対応に不満を感じることは意外と多いようです。税理士の中には「自分の方が偉い」「依頼されてあげている」「自分は先生という立場だ」などといった認識を持っている人もいるため、意外にも態度や対応が悪い税理士というのは珍しくないのが残念ながら現状だからです。
こうした認識が態度や言動に現れるため、依頼者は「税理士を変更したい…」と思うことにつながるのです。
同じ税理士として非常に残念なことだと思います。
また、このような態度の悪い税理士が担当となっていると、依頼や相談がしにくくなったり、スムーズに話し合いが進まないなどのトラブルも発生してしまいます。
ビジネスにおいてデメリットが多いため、早急な税理士変更を検討すべきでしょう。
税理士を変更したいと思う理由として「仕事内容が報酬に見合っていないと感じる」というものもよく聞かれます。
確かに依頼者からしたら、高い報酬を支払っているのにそれに見合った仕事をしてくれないというのは大きな悩みでもありますよね。
これは、税理士の力量やサービス精神、依頼者に寄り添っているか否かなどが問われるポイントでもあるため、このような不満を感じながら長く依頼し続けることはお勧めできません。
お互いにビジネスの付き合いでありながら、仕事の品質に疑問を感じ、かつ依頼側がそのように感じていることを察知できない税理士はビジネス感受性が低いとも考えられます。
依頼側の期待値に見合った働きをしていない、ということですね。
税理士のメインの仕事は記帳や申告、書類の整理などの書類上の作業です。
しかし、依頼者に寄り添える税理士は、きちんと経営のアドバイスもしてくれます。
今後のこと、資金のこと、現時点のことなど、税理士にしか分からない視点でアドバイスがあれば、依頼者も安心して経営ができますよね。
そういった経営の支援こそが、実は税理士の重要なミッションなのです。
経営者目線でアドバイスが出来る税理士は、会社の成長には欠かせない存在となり、唯一無二のパートナーにもなり得るでしょう。
しかし、逆に経営に関するアドバイスがほとんどない、もしくはできない場合はその税理士に依頼するメリットは少ないと感じます。
なぜならこのような業務も税理士の当然の仕事と捉えている税理士も多いからです。
実際、「事務的作業しかしてもらえない」「アドバイスをもらったことが無い」という方の多くが、「税理士を変更したい」と感じているようです。
ビジネスチャンスを逃さないためにも、税理士のアドバイスは必要不可欠。
本当に依頼者を想ってくれる税理士に変更したほうがよいかもしれません。
会社を経営していると税務調査が入る可能性があります。
その際に税務署の指摘に対して、反論することなく言いなりになってしまう税理士が存在します。
経費はどのような用途なのか、必要な税金はきちんと支払われているか、など税務署の職員は突っ込んで聞いてくることがほとんど。
ここできちんと必要書類を提示しながら説明できる税理士であれば問題ないのですが、中には税務署職員に言われるがまま税金の追加徴税を支払うことになることもあります。
これでは、税理士としては非常に頼りないですし、今後も依頼を続けるには不安がついてまわりますよね。
今後の税務調査でも税務署職員の言いなりになってしまうことが目に見えているので、「税理士を変更したい」と考えるのも妥当でしょう。
いざ税理士を変更しよう!となっても税理士変更を行う際には適切なタイミングというものが存在します。
税理士の引継ぎや契約、依頼がスムーズに完了できるよう、下記をご確認ください。
決算申告前以外のタイミングであれば、基本的に問題はありません。
逆に決算申告前は税理士も多忙な時期であるため、普段はスピード対応の税理士でもなかなかフットワーク軽く動けない可能性もあります。
また決算申告直前に新たな税理士に引き継いでもらうと決算申告の際に必要書類を片っ端から対応しなければならないため、新しく依頼する税理士の負担が大きくなってしまいます。
これにより、書類上のミスが発生しやすくなってしまうためあまり好ましくないタイミングです。
中には「すぐにでも税理士を変更したい!」という方が新たな税理士にタイミングを考えずに依頼するケースがあるようですが、必要書類を急いで準備したり、前の税理士とのやりとりが残っていたりして、依頼者側も非常に忙しい時期になってしまいます。
よほどの理由が無い限りは、決算申告直前のタイミングで税理士変更は敬遠しましょう。
これは、依頼者が判断するのが難しいのですが「新たに依頼する税理士が忙しくないタイミング」も、税理士の変更時期としては好ましくありません。
税理士が他の案件で忙しい場合、こちらの仕事を後回しにされてしまうことがありますし、打ち合わせや依頼を先延ばしにされてしまうということも考えられます。
新しく依頼を予定している税理士にスケジュールや現在の状況などについて聞いておくと良いでしょう。
また、お問い合わせの段階で「面談日」が近いか遠いかでも税理士の忙しいタイミングがある程度把握できます。
面談日が2週間以上先に設定されてしまう場合は税理士が忙しい可能性があるため、このタイミングでの変更は控えた方がよいでしょう。
税理士変更はメリットばかりではありません。
変更後に「こんなはずではなかった…」と後悔しないためにも税理士変更後のデメリットについてきちんと把握しておく必要があります。
税理士の変更でデメリットといえるのが「税理士変更すると関係性や会社への理解を一から築く必要がある」というものです。
税理士を変更すると、依頼者との関係性の構築、会社への理解などを一から築いていかなければなりません。
お互いの性格、お互いの意向、会社の詳細、業界の傾向、節税への意識、などを共有する項目は非常に多いです。
そのため、お互いについて知ったり、会社について説明したりする必要があります。
これには時間や手間がかかるため、決して楽なことではありません。
これを理解したうえで税理士を変更しなければ、再び失敗に繋がってしまいますし、お互いに理解を深められないまままた別の税理士に変更…といった悪循環を引き起こすことになってしまいます。
まずは、長い時間をかけて関係性を構築していく、という認識で税理士の変更を検討しましょう。
税理士変更はどのような流れで進めるべきなのでしょうか?
税理士変更を失敗しない、具体的な流れと注意点についてご紹介します。
まずは自分がなぜ税理士を変更したいのか、について明確にしなければなりません。
この理由を明確化することで、次の税理士の選ぶ基準が見えてきます。
例えば「態度が悪い」「報酬に見合った仕事をしてくれない」などが理由の場合は、次に選ぶ税理士は「親身になってくれる税理士」「報酬に見合った仕事、もしくはそれ以上の仕事をしてくれる税理士」ということになります。
新たに依頼する税理士がどのような人か、面談や問い合わせなどの態度を見たり、実際に話を聞いてみたりして自分に合った税理士を選びましょう。
仮に税理士を変更したい理由が不明確なまま変更してしまうと、また同じような税理士に当たってしまう可能性があり再度同じ理由で税理士を変更することになってしまう可能性があります。
税理士の変更には手間やお金がかかるため、何度も行うものではありません。
満足できる税理士を選び、長く深く付き合えるようにすることが大切です。
税理士を変更する前に、今の契約内容を確認することが大切です。
例えば契約に期間が記載されてあったり、短期間の解約は違約金が発生する、などこうした契約内容をきちんと見直しておかないと後になって現在依頼中の税理士ともめる原因になってしまいます。
とくに、「違約金」「不当な解約による解約金」など、金銭的なトラブルが多い傾向にあるため、注意しましょう。
さらにいつまで報酬を支払うのか、何か月前までに連絡する必要があるのか、などについての契約内容も確認しておきましょう。
また、税理士の変更にあたって「なぜ変更したいのか」などについて話をすることもあると思います。
その際にはなるべくカドが立たないよう自分の意思を伝えたほうがスムーズに事が運ぶでしょう。
例としては以下のようなものが挙げられます。
上記のような伝え方がベストといえます。
間違っても「あなたの対応が不満だから」「報酬に見合っていないから」など、正直に伝えるのはやめましょう。
相手も不快な気分になり、口論やいやがらせなどのトラブルに発展してしまう可能性があります。
今までの不満が積もっていたにしても、なるべく円満に最後まで付き合うことを心がけましょう。
意外と忘れがちなのが「預けた書類の返却」です。
税理士を変更する前に、預けてある書類は全部返却してもらう必要があります。
主に返却が必要な書類は以下の通りです。
税理士への依頼内容によっては、上記の他にも返却してもらう書類が存在する可能性もあるため、きちんと確認しておく必要があります。
これらは、新しい税理士これまでの記録として渡す可能性もありますし、引継ぎに必要な場合もあるので、漏れなく返却してもらわなければなりません。
万が一返却漏れが合った場合には、速やかに返却の要旨を連絡しましょう。
上記までの作業が完了してから、ここで始めて新しい税理士と顧問契約を結びましょう。
ここまでの作業がうやむやになったまま税理士を変更してしまうと、前の税理士と新しい税理士とでさまざまな連絡をとらなければならず、依頼者の負担が増えることにつながります。
きちんと、上記の内容を済ませてから新しく顧問契約を結ぶことが大切です。
当然ですが、既存の税理士さんとの契約を終了する前に次の依頼先を選んでおく、という事をお忘れなく!!
次の記事では失敗しない税理士の選び方を詳しく解説しましたので是非参考にしてみてください。
>税理士選びで失敗しないための8つのポイントと良い税理士の見分け方
また、契約の際にはしっかりと契約内容を確認し、疑問点や不明点などがあればその都度きちんと確認をとりましょう。
特に「報酬面」「契約期間」「万が一税理士を変更する際の条件」などはよく確認しておく必要があります。
契約後のトラブルを防ぐためにも、仕事を実際に依頼する前に契約書は隅から隅まで目を通してくださいね。
ここまでご紹介した流れに従って変更すれば、基本的にはスムーズな税理士の変更が可能です。
多くの作業があり、面倒に感じることも多いと思いますが、自社のためにきちんと対応しましょう。
税理士の変更は、お金や手間がかかる行為です。
そして、現在依頼している税理士との関係性にも影響することもあるため、なかなか踏み出せずにいる…という経営者は決して少なくありません。
しかし、そうした理由から税理士を変更できずに優秀なビジネスパートナーと出会えないのは非常にもったいないです。
今回の記事ではそうした悩みを抱えている方のために、税理士を変更する際の注意点やタイミング、流れなどについて詳しく解説しました。
ぜひ、参考にしながら自分に合った税理士を選んでくださいね。
また当事務所でも、税理士を変更したいといった相談は多く受けます。
「次の依頼先をどこにしたら良いのか分からない」といった場合には、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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